【現地ベルリンからお届け】3年ぶりにリアル開催されたIFA2022に見る世界のトレンド
世界最大規模のグローバルエレクトロニクス展「IFA 2022」(国際コンシューマ・エレクトロニクス展)が、2022年9月2〜6日に、ドイツの首都ベルリンで3年ぶりにリアル開催されました。
Panasonic, SAMSUNG, LGなどアジアのトップメーカーから欧州ブランドまで、出展社数は1100社以上、来場者数は5日間の会期で16万人以上の盛り上がりを見せる会場へ弊社のメンバーも訪問いたしましたので会場の様子をまとめた現地レポートをご紹介いたします。
今回のIFA2022では、「サスティナビリティー」と「トレンドカラー」に関する各社の訴求が目立ちました。
サスティナビリティー
トップメーカーを中心に各社メインのブースではサスティナビリティーを訴求しておりました。
Panasonic
本体部分は1本で、シェーバーや歯ブラシなどのアタッチメントを付け替えることでバッテリーや充電器を削減できるという男性用商品がメインで紹介されていました。
サムスン
サムスンの商品を使うことでどのくらいエネルギーを削減できるかを表した展示パネル
トレンドカラー
従来の家電は、白黒を始め、シルバーや赤など派手なカラーおよびキラキラした質感のものが多かった印象がありますが、「MUTED TONE」と呼ばれる、優しさを感じる色合いでマットな質感の家電がキーボード、スチーマーなど特に小物家電を中心に目立っていました。
ストックホルム発スチーマーブランド:STEAMERY
ブランドアンバサダ―に人気韓国アイドルBTSを起用したCOWAYの空気清浄機
出展企業や展示の手法にも変化が見られました。
ドイツの高級家電ブランドMieleでは、無用な食品ロスをなくすため、ディスプレイに使われた野菜も展示会のあとで寄付されるそう。サスティナビリティの取組みや、製品のエネルギー効率は各社が取り上げていましたが、展示会そのものが大きなエネルギーを消費する行為として、いかにそのなかで工夫を凝らすかを問われていると感じました。
ロシアのウクライナ侵攻、それに伴うエネルギー危機に見舞われる欧州にとって、いかに省エネルギーでこの展示会を行うか、ということも今回の隠されたテーマだったのかもしれません。
会場の雰囲気や、現在のドイツの街の様子などを直接体感した我々としては、バーチャル展示会では得られにくい、人々の関心やトレンドを伺える貴重な機会でした。
ウィルフォースでは、ほぼ毎年社員が数名IFA の視察に来ております。日本に住んでいるとあまり気づかない、世界のトレンドや新しい表現、消費者の嗜好など、グローバルの感覚をアップデートすることは私たちの提供価値であるクリエイティブに大きな刺激を与えてくれます。
一方で、日本への入国制限がまだ厳しい中ということもあってか、日本企業の出展はわずかでした。グローバルに活躍する日本企業をクリエイティブの面からサポートする我々としては、少しさみしく感じました。今後渡航制限も緩和され、再び世界へ挑戦する日本企業の活躍を陰ながら支えていきたいと思います。
弊社では、展示ブースの設計デザイン~企画まで幅広くお手伝いさせていただいております。