BtoBにも広がるショート動画活用の最新トレンドとは?

かつてBtoB企業の情報発信といえば、ホワイトペーパーやPDF資料、長尺のセミナー動画など、「読み込む・視聴すること」を前提とした静的コンテンツが中心でした。
しかし近年、グローバル市場における情報収集のスタイルが大きく変化しています。SNSや動画プラットフォームを使いこなすビジネス層が増え、短く・直感的に情報を得たいというニーズが高まってきました。
こうした背景から、テック・製造・SaaS業界をはじめとするグローバルBtoBブランドでは、ショート動画の活用が急速に進んでいます。
このトレンドは、BtoBにとどまらず、BtoC領域にも共通するマーケティングの新しい潮流となっています。
なぜショート動画が選ばれるのか?(toB/toC共通のメリット)
1. 短時間での情報伝達
忙しいビジネスパーソンにとって、60秒以内で要点を伝えられる動画は非常に有効です。複雑な製品やソリューションも、ビジュアルと音声を使うことで、直感的に価値を伝えることが可能になります。
2. 視覚的な魅力
図解やモーショングラフィックを用いることで、静止画やテキストよりも操作感や導入後のイメージを具体的に共有できます。これは、比較検討段階のユーザーにとって重要な判断材料となります。
3. 高いエンゲージメント
YouTube ShortやInstagramのリールは、アルゴリズム上で優遇されやすく、通常投稿に比べてリーチ率・保存率が高まる傾向にあります。
• Silverpush調査によると、YouTube Shortの平均エンゲージメント率は5.91%(2025年)
参考リンク:
https://www.silverpush.co/blogs/advertising-on-youtube-shorts/
https://adamconnell.me/youtube-shorts-statistics/
海外BtoB企業のショート動画活用事例
1. IBM
IBMは、オフィスソリューションや技術のデモ動画、社員の働き方に関するインタビューなど、多様な動画コンテンツを投稿しています。
特に注目すべきは、教育的な内容をエンターテインメント性を持たせて伝える構成です。AIやセキュリティといった専門性の高いテーマも、親しみやすい語り口やビジュアルで展開することで、視聴者の関心を引きつけています。
こうした動画は、単なるプロダクト紹介にとどまらず、IBMの「人と技術の信頼性」を伝えるブランディングツールとしても機能しています。
Do you really think anyone is going to care about cloud management?
擬人化された“雲”が登場し、クラウド管理という一見難しい概念をユーモラスに解説。クラウド時代のIT課題を、親しみやすく提示する好例です。
@ibm We asked real clouds to explain hybrid cloud and by real clouds we mean our community manager. ☁️ #EduTok #TechTok #careertok #hybridcloud #mouthface ♬ original sound – IBM
2. Salesforce
Salesforceは、Instagramリールを通じて、見込み顧客の関心喚起から既存顧客との関係構築まで、段階に応じた情報発信を行っています。
- 成功事例紹介 → 信頼性の訴求
- イベント告知 → リード獲得
- AIのトレンド解説 → 業界理解の強化
- How-To動画 → 既存ユーザーとの継続的接点
短尺ながらも製品の強み・活用シーン・企業文化を一貫して伝える構成が、Salesforceブランドの厚みと信頼性を支える重要な施策となっています。
It’s Easy as Cake
Agentforce導入を「ケーキ作り」に例え、材料(計画、データ)と手順(顧客体験設計など)が揃えば容易とアピール。 複雑な技術も身近な例で分かりやすく伝え、導入への心理的障壁を下げるマーケティング戦略の事例です。
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3. Adobe
Adobeのショート動画は、法人ユーザーを想定した製品教育・活用促進・導入支援を軸に展開されています。
- PhotoshopやIllustratorの具体的な操作チュートリアルで、社内研修・教育工数を削減
- 最新機能やユーザー事例紹介により、稟議通過や意思決定を後押し
- インフォグラフィック的動画やTipsで実務担当者の業務改善に貢献
BtoBにおける「実務活用に直結するコンテンツ設計」がポイントです。
One photo = endless possibilities
Adobe Fireflyのチュートリアル動画では、製品写真をアップロードしてから、背景生成や演出が加わり、商用利用可能な動画が完成するまでの流れを、わずか数秒で表現。「Generate」ボタンのクリックモーションとAIインジケーターが、ツールの直感的な操作感を視覚的に伝えています。
従来は「製品説明は資料で十分」「SNSはBtoC向け」という認識が根強かったBtoB分野でも、いまや短尺動画は情報伝達とブランド形成の重要な武器となりつつあります。
製品やソリューションが複雑であればあるほど、“短く、わかりやすく、視覚的に伝える”設計力が成果に直結します。
ウィルフォースでは、海外市場を見据えたSNS戦略の立案からショート動画の設計・制作までを一貫して支援しています。
文化や言語の壁を越え、貴社の強みを「短く、魅力的に」届ける設計と表現で、グローバル発信をサポートします。
海外展開をご検討の企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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